個人主義の再検討プロジェクト

(1998年11月1日更新)
責任者:孝本貢・宮永國子

活動内容

(1)概要:大塚和夫氏、孝本貢氏、島薗進氏の主催・協力を仰ぎ、1994年より1997年の夏までの予定で発足しました。試行錯誤ののち、現在では1998年の大会で、個人発表により成果を報告し、1999年の大会でのワークショップをもって、プロジェクトを閉じる予定です。
(2)目的:個人主義、集団主義という言葉は、世界各地で多様に、また曖昧に用いられています。このプロジェクトでは、言葉自体にこだわるよりも、個と集団の関係を検討し直し、あらためて概念化することを切り口として、世界の現状を把握することを目的としています。
(3)経過:この目的に添って、以下のような会合が持たれました。

はじめの回: 酒井修氏 「類と個」
第一回:島薗進氏 「代替知運動と非二元論的思考法」
      大塚和夫氏 「社会人類学における個人の位置」
第二回:桑山敬己氏「イエ社会論の再検討」
      宮永國子氏「批判ー集団主義と個人主義」
第三回:門馬幸夫氏 「個人の析出とイエ共同体ー歴史社会学的考察の試み」
      川村邦光 「性欲の時代の男と女」
第四回:出口顕氏 「名前と人格の系譜学」
      山中弘 「日本の宗教社会学における個人主義パラダイムの受容をめぐってースタークの供給側モデルと井門教団組織論を中心として」
第五回:塚田守氏「受験体制のなかの個人」
      勝又正直氏「田山花袋作『田舎教師』を読む」
第六回:前山隆氏 「PERSON(ひと)と主観性の文化人類学ー人間研究における個人中心主義」
      角田幹夫氏「個体と複数性ーアレントを読む」
第七回:薄井篤子氏 「宗教における女性と共依存」
      熊田一雄氏 「現代救済宗教と共依存の病理」
第八回:対馬路人氏;樫村愛子氏(司会:山中弘氏)
第九回:伊藤喜栄氏;葛西賢太氏(司会:望月哲也氏)
1998年「宗教と社会」学会 個人発表:宮永國子
       (予定)グローバル化と個の可能性

  (4)今後の方針:

 ここまでで、個と集団の検討を一応の区切りとし、これからは、グローバル化という状況のなかでの個の要請と可能性を具体的に探ることを通して、理論を構築するという作業にかかりたいと考えております。

(5)今後の研究会予定
1999年「宗教と社会」学会年次大会ワークショップ(予定)
結果の出版(予定)
(6)今後の参考文献(一部のみ)
『個のアイデンティティ』K.バリッジ著、宮永國子訳 世界思想社
『現代世界の地域システム』伊藤喜栄、安藤満寿夫著 大明堂
『危険社会』U.ベック著 東廉監訳 二期出版

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